命薬(ぬちぐすい)・沖縄の島野菜の魅力

沖縄の方言で命薬(ぬちぐすい)という言葉。
ぬち=命、ぐすい=薬 という意味になり、
"滋養のある食べ物、美味しいもののこと。美味しく頂くものは命の薬。"
心や身体に良いことや癒やしをもたらす出来事や物事を指す言葉として使用されます。
本日は命薬(ぬちぐすい)である沖縄の「島野菜」の魅力をお伝えしていきます。
島野菜とは?
過去のブログでもご紹介した島野菜。
島野菜の定義として
1、戦前から食されている 2、郷土料理に利用されている 3、沖縄の気候・風土に適合している
この3つを満たしたものが伝統野菜となります。
沖縄県内では「島野菜」として親しまれており、全部で28種類存在します。
今回は、その内の3種類の島野菜をご紹介します。
琉球ヨモギ

沖縄の言葉で「フーチバー」と呼ばれ、「フーチ(病気や薬)」と「バー(葉)」を組み合わせた言葉です。
その名の通り、古来より様々な病の治療や予防に用いられました。鮮緑色で独特の香気を持ち、臭い消しに利用されています。
ヨモギにはタンパク質、食物繊維、カルシウム、鉄、カリウム、ビタミンA、B1、B2、Cなどが多く、沢山の栄養成分が含まれます。
特に緑の血液の別名を持つ葉緑素「クロロフィル」が豊富で、体内から重金属の排出を促してくれ、 浄血・造血作用もあるので血液サラサラ効果が期待できるそうです。
沖縄料理では、フーチバージューシー(よもぎの炊き込みご飯)、沖縄そば、ヤギ汁などに加えていただく食べ方が親しまれています。
ニガナ

沖縄では「ンジャナ」とも呼ばれております。ニガナというように苦味があるのが特徴です。
成分はビタミンC、ビタミンA、カルシウム、カリウムを豊富に含むため、これらは免疫力の向上や骨の健康維持に役立ちます。
生の葉に含まれる独特の苦味成分には、消化促進やデトックス効果が期待できるとされているそうです。
沖縄ではニガナを島豆腐と和えた白和えが沖縄の家庭料理として親しまれています。他にも、汁物や炒め物、スムージーと幅広く活用されます。
クワンソウ

ユリ科ワスレグサ属の多年草です。多くは沖縄に生息しており、9月~10月頃が花咲く時期で、オレンジ色の綺麗な花が畑に広がります。沖縄では古くから花や茎を食用や薬用として使用されています。
沖縄の八重山諸島あたりでは「ニーブイグサ」(沖縄方言:眠り草)とも呼ばれ、その名の通り眠りに入りやすくする効能があり、「オキシピナタニン」という優れた睡眠誘発効果をもつ成分が含まれている事が確認されています。
その他、成分として鉄・ビタミン・ミネラル・食物繊維・アスパラギン酸・リジンなどが含まれ、肉体疲労回復作用・美肌作用・ストレス軽減・自律神経調整効果が期待されているそうです。
沖縄ではその若芽や葉を和え物やおひたしに使ったり、花を酢の物や天ぷらにして親しまれています。 他にも、茎を乾燥させたクワンソウ茶としても飲用されています。
フーチバージューシーレシピ(3~4人前)
米(3合)
豚バラ薄切り肉(150g)
人参(2分の1)
しめじ(20g)(※椎茸3つでも◎)
ひじき(お好みで)(今回は缶詰を使用)
フーチバー(適量)(茎は除き、葉のみ使用)
生姜のみじん切り(お好みで)大さじ1
★濃縮めんつゆ 大さじ5
★サラダ油 小さじ1
※フーチバーは基本的に生のまま使用しますが、アクが気になる場合は切る前にたっぷりの水でもみ洗いすると良いようです。
①お米を洗ってザルにあげておく。
②豚肉は食べやすい大きさに切り、軽く炒める。
③人参はさいの目切り、生姜はみじん切りにし、フーチバーは細かく刻む。
④炊飯器に研いだ米、炒めた豚肉、人参、しめじ、ひじき(適量)、生姜、★を加えて炊く。
⑤炊き上がったら、刻んだフーチバーを入れて、良く混ぜて完成。

フーチバーは生でいただくので、フーチバーの香りがふわっと広がり、より風味を感じられました。
調味料は簡単に出来るめんつゆを使用しましたが、具材などのうま味も染み、めんつゆでも十分に美味しく仕上がります♪
気になった方はぜひお試しください!
4月8日は「島野菜の日」
沖縄では毎年、4月8日を語呂合わせで「島野菜の日」とされております。
沖縄の伝統野菜である島野菜の生産と消費拡大を目的としてJAおきなわが2015年に制定されたようです。
4月8日の「島野菜の日」として認知が広がり、島野菜がより県内外問わずで親しまれると良いなと感じました。
まとめ
島野菜には栄養価の高い成分が含まれているので、健康・美容面においても充分にサポートしてくれそうです。
皆様もぜひ沖縄の命薬(ぬちぐすい)が詰まった島野菜を味わってみてくださいね。